回る背骨

制作メモ

ポリリズム

ポリリズムについて考える

ポリリズムとは

一つの曲、またはその中の小節などにおいて、複数のリズムが混在することをポリリズムという。

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 ポリリズムは「a:b」のように数学の比で考えると分かりやすい。
例えば、a=3拍子 b=4拍子 なら、「3:4」の比率でリズムが進行していくということである。
(歩幅が30cmの人と、40cmの人が同じ速度で歩いていると言い換えてもいい)
そして、3と4の最小公倍数は12になるので、12小節ごとにリズムが合うことになる。
(歩幅30cmの人の4歩目と、歩幅40cmの人の3歩目が120cmで同じになる)
 

ポリリズムのバリエーション

しかし、数学的な言い方をするなら、aもbも素数であるべきだ。
4拍子というのは2拍子が2小節とも考えられるし、6拍子は3拍子が2つと考えられる。
音楽的には拍子はアクセントのとり方で決まるので、4拍子や6拍子が正解だが、数学的には2拍子や3拍子の複合拍子と考えた方がわかりやすいのだ。
なので原理的には、「素数の比」の数だけポリリズムのパターンが存在することになる。
2:3  2:5  2:7  3:5  3:7  5:7  など
 
また、3つ以上のリズムを含むこともできる
2:3:5  2:3:7 など
 
しかし、それらの最小公倍数が大きすぎると、中々リズムは一致しない。
それもポリリズムといえばそうだが、音楽的にはあまり意味がなくなる。
 

小節数からポリリズムを算出

全体の小節数から内包するポリリズム(拍子)を検出する場合は、約数を求めればいい。
例えば16小節なら、「1, 2, 4, 8, 16」が約数になり、その拍子を含むことが出来る。
といっても、この場合はポリリズムとは呼ばない。
上記の中で素数は2だけなので、基本となるリズムが1つしかない。
しかし、12小節なら、約数は「1, 2, 3, 4, 6, 12」となり、素数は2と3の二つになるので、2拍子や4拍子に加えて、3拍子や6拍子を含むことが出来る。
この2:3のポリリズムは、楽譜では3連符や6/8拍子で表記されるリズムで、珍しいものではないが、最もシンプルなポリリズムといえるだろう。
 

基準となる拍子の音価を分割する

楽曲にポリリズムを取り入れる場合は、例えば4拍子の曲に合わせて、5連符や7連符のように音価を分割したリズムを入れるという方法もある。
シーケンサーで5連符や7連符を打てない場合は、最小公倍数を拍子にすれば対応できる。
例えば4拍子に5連符を当てはめるには、2:5の最小公倍数である10拍子(×2小節)の設定にする。
このように最小公倍数を拍子にすることでも、ポリリズムを実現できる。
 
ただし、こんな感じで拍子を変えるということは、4拍子の音を20拍子に引き伸ばすという意味なので、めちゃくちゃ遅くなる。
元のBPMが120だとしたら、BPMを20/4倍(5倍)の600にして同等になる。